以下の記事では、Unreal Engine 5.6 におけるマテリアルシステムのQuality-of-Life改善について書かれています。 https://dev.epicgames.com/community/learning/knowledge-base/raq5/materials-quality-of-life-updates-in-unreal-engine-5-6
今回はこちらの記事を動画でわかりやすく解説したのと、
ちょっと挙動が怪しいノードもあったのでそちらにも触れてみました。
管理人がYouTubeで解説!
ポイント
UE 5.6 における Materials システムの品質向上(Quality of Life)改善点をまとめたドキュメント。
https://dev.epicgames.com/community/learning/knowledge-base/raq5/materials-quality-of-life-updates-in-unreal-engine-5-6
ざっくり以下の内容となっています。
Live Material Viewport Updates
Material Viewport がパラメータ変更に即時反映されるようになり、Material Instance を作らなくても値を直接確認可能。
Live Material Layer Instance Thumbnail Updates
Material Layer Instance も、パラメータ変更時にサムネイルが即時更新されるように改善。
Live Material Instance Updates via Material Editing Library
Python や Blueprint から MaterialEditingLibrary 経由でインスタンスのパラメータを変更すると、
エディタの表示もリアルタイム更新されるようになった。
Color Ramp Material Expression Node
新しい「Color Ramp」ノードが追加され、
グラデーションの作成・編集・再マッピングが直感的に行えるように。
⚠️ 注意: 特定の条件下では出力値が 1を超える または 負の値になる 可能性があるため、利用時には数値範囲に注意が必要
Convert Material Expression Node
新しい「Convert」ノードが追加。Make/Break/Swizzle の操作をよりコンパクトにまとめられる。
Niagara の同名ノードをベースにしている。
Material Expressions Node Search
ノード検索のアルゴリズム改善。
ノード名の一致が優先され、目的のノードを探しやすくなった。
Property Search
Details パネルの検索が「keywords」メタに対応。
Blueprint のノード検索と同等の利便性が実現。
Displacement vs Tessellation
「Enable Tessellation」に「displacement」というキーワードを追加し、
検索・理解をしやすくした。
Register Editor Settings on Startup
Material Editor モジュールがエンジン起動時に自動で読み込まれるようになり、
設定項目が常に表示されるようになった。
View.NearPlane Added to View Property Node
View Property ノードに新しく「View.NearPlane」が追加され、ドロップダウンからアクセス可能に。
Custom Texture ChannelNames
TextureSample ノードのチャンネル名をカスタマイズできるようになり、
Material Instance でも反映される。
Right Click to Create Reroute
ノードの右クリックから「Create Reroute Usage」が利用可能になり、
簡単に Reroute ノードを作成できる。
Find All References on Reroutes
Reroute ノードから「Select Named Reroute Usages」で使用箇所を一括検索可能。
検索結果から直接ジャンプできる。
Jump to Node Definition
ノード右クリックから「Goto Definition」で C++ のソースコードに直接ジャンプできるように。
Preview Button & Shortcut
全ノードにプレビューアイコンが付き、
Shift + Space のショートカットでプレビューを即座に切り替え可能に。
Shortcut to Connect Nodes
既存ノードを選択 → 新規ノード検索 → Shift+クリック/Enter で自動的に接続した状態で作成可能に。
Searchable MPC Parameters
Material Parameter Collection (MPC) のパラメータ検索が可能になり、選択が容易に。
Double-Click Parameter to Select Node
Parameters タブでパラメータ名をダブルクリックすると、対応するノードにフォーカスが移動。
別アセットならそのエディタを開いて選択。
Comment Box Alignment
コメントボックスが作成時からグリッドに揃うようになり、従来の微妙なズレが解消。
まとめ
Unreal Engine 5.6 のマテリアル関連アップデートは、単なる機能追加ではなく、
日々の制作フローをよりスムーズにするための「小さな改善の積み重ね」が特徴です。
リアルタイムでのプレビュー反映や検索性の向上、新ノードの追加によって、
これまで煩雑だった操作が驚くほど直感的に扱えるようになりました。
特に「Color Ramp」ノードは、グラデーション表現をシンプルにする強力なツールですが、
条件によっては出力が 1 を超えたり負の値を取ることもあるため、使う際はその挙動を理解しておくと安心です。
こうした改善の数々は、ゲーム開発だけでなく映像制作や建築ビジュアライゼーションなど、
幅広い分野で「表現したいイメージを形にする」までの距離を縮めてくれるでしょう。
UE5.6 のマテリアルワークフローは、
これまで以上にクリエイティブなアイデアをスピーディに試せる環境へと進化しています。
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