今回はUnreal EngineのControl Rigで
FABRIK(Forward And Backward Reaching Inverse Kinematics)アルゴリズムを用いた
リグシステムを自動構築する方法を紹介します。
FABRIKは、計算速度が速く、自然な動きを生成できるため、
ゲームキャラクターのアニメーションに最適です。
コントローラーもリグも自動構築して、作業効率を向上させましょう!
※本動画ではUE5.5を利用しております。
管理人がYouTubeで解説!
前回を先に見てね。
FABRIK (Forward And Backward Reaching Inverse Kinematics)
要点
- ターゲットに到達するように関節の位置を反復的に調整していく手法です。
- 順運動学と逆運動学を繰り返しながら、関節の角度を調整し、最終的にターゲットに到達させます。
- 関節の制限などを考慮しながら自然な動きを生成することができます。
メリット
- 計算が高速で、リアルタイム処理に適しています。
- 比較的シンプルなアルゴリズムで実装が容易です。
- 関節の可動範囲の制限を自然に扱うことができます。
デメリット
- ターゲットに到達できない場合、解が不安定になることがあります。
- 中間関節の制御が難しい場合があります。
CCD IK (Cyclic Coordinate Descent Inverse Kinematics)
要点
- エンドエフェクタ(末端の関節)から順番に、各関節を回転させてターゲットに近づけていく手法です。
- 各関節は、その親関節を固定したまま、ターゲットに最も近づくように回転されます。
- このプロセスを繰り返すことで、最終的にターゲットに到達させます。
メリット
- 解が安定しており、滑らかな動きを生成することができます。
- 中間関節の制御が比較的容易です。
デメリット
- FABRIK より計算コストが高く、リアルタイム処理には不向きな場合があります。
- 関節の可動範囲の制限を扱うのが難しい場合があります。
用途による使い分け
FABRIK
- リアルタイム性が求められるゲームキャラクターのアニメーション
- 関節の可動範囲の制限が重要なロボットアームの制御
- 人体のような複雑な骨格構造のアニメーション
CCD IK
- アニメーション映画など、高品質なアニメーションが必要な場合
- 中間関節の制御が重要な場合
- 比較的単純な構造のアニメーション
補足
- 上記は一般的な特徴であり、実装方法や用途によっては異なる場合があります。
参考資料
- FABRIK: A fast, iterative solver for the Inverse Kinematics problem. Aristidou, A., Lasenby, J. Graphical Models, 2011, 73.5: 243-260.
- Cyclic coordinate descent in multibody dynamics. Wang, L., Chen, C. Multibody System Dynamics, 1991, 4.1: 333-350.
まとめ
本記事が、Unreal EngineでFABRIKを使ったリグシステムを自動構築する際に役立つことを願っています。
Control Rigのノードグラフシステムを活用することで、
効率的に高品質なアニメーションリグを作成することができます。
FABRIK・CCDIKは、サクッと簡単に多関節のリグを組むことができます。
Control Rigとの組み合わせは、ゲームアニメーションの可能性を大きく広げるでしょう。
それでは!
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