Unreal Engine (UE) でソースファイルをインポートする際、
パス指定が相対パスになったり絶対パスになったり、混乱したことはありませんか?
UEのエンジンとソースファイルが同じドライブにある場合と
異なるドライブにある場合で挙動が変わるのはなぜでしょうか?
この記事では、この謎を解き明かし、UEでのパス指定の仕組みと、
より安全なプロジェクト管理のためのヒントをご紹介します。
※ 本解説ではUnreal Engine 5.4.2を利用しています。
パス指定が変わる条件について
UEは、ソースファイルのインポート時に以下のルールに従ってパスを決定します。
- 同じドライブの場合
UEのプロジェクトファイルからの相対パスで保存されます。
これは、プロジェクトファイルを別の場所に移動しても、
ソースファイルとの関係が維持されるためです。 - 異なるドライブの場合
ソースファイルの絶対パスで保存されます。
これは、ドライブ間の相対パスは定義できないためです。
パス種別 | メリット | デメリット |
---|---|---|
相対パス | プロジェクトの移動に強い | ファイルの階層が深くなるとパスが長くなる |
絶対パス | ファイルの場所が一意に特定される | プロジェクトの移動に弱い |
Data Source Folder設定を利用して問題を解消する
Data Source Folder とは?
Data Source Folderは、
UEがソースファイルを探す際のルートディレクトリを指定する設定です。
この設定を利用すると、ソースファイルがプロジェクトの外部にあっても、
プロジェクトファイルからの相対パスでインポートできるようになります。
Data Source Folder を使った解決策
- Data Source Folder を設定する
Editor Preferences -> General -> Miscellaneous -> Data Source Folder で、
ソースファイルが保存されているディレクトリを指定します。 - ソースファイルをインポートする
ソースファイルをインポートする際、
Data Source Folder からの相対パスで指定します。
例:
- Data Source Folder
D:/MySourceFiles.fbx - ソースファイルの場所
D:/MySourceFiles/MyModule/MySource.fbx - インポート時のパス
MyModule/MySource.fbx
メリット:
- エンジンとソースファイルが異なるドライブに存在しても、
相対パスでインポートできるため、プロジェクトの移動に強くなります。 - チーム開発において、
メンバー間の環境の違いによるパス指定の問題を解消できます。
まとめ
UEでのソースファイルインポート時のパス指定は、
エンジンとソースファイルのドライブが同じか異なるかによって変わります。
相対パスと絶対パスのメリット・デメリットを理解し、
適切に使い分けることで、より安全で効率的なプロジェクト管理を実現しましょう。
またData Source Folder を活用することで、
UEでのソースファイルインポート時のパス指定に関する問題を解決し、
プロジェクトの可搬性を高めることができます。
ぜひ、この設定も活用して、よりスムーズな開発環境を構築してみてください。
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